Oh Yeah! と音楽の方からオレのところにやって来る The Subways

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Englandの活きのいいR&Rバンド、The Subways

 The subwaysはイングランド西部のハートフォードシャー州ウェリン・ガーデン出身、男女三人組のロックバンドだ。彼らがバンドを結成したのは2003年。2005年3月にシングル「Oh year」でデビュー、同じ年の7月には1stアルバム「Young for eternity」を発表した。

メンバーは、
ギター・ボーカル Billy Lunn
ベース・サポートボーカル Charlotte Cooper
ドラム Josh Morgan

subwayというのは地下歩道(アメリカでは地下鉄を指す)の事で、彼らが子どもの頃に、ウェリントン・ガーデンにあるラウンドバウト(日本語で言うロータリー)下の地下歩道で遊んでいた事から名付けたそうだ。

ベーシストが女性と云えばフランスのMokshaを思う出すのだが、Mokshaのベースは流石フランス女、なんだろうこの色気は! ところがCharlotteはというと、さすがイギリス女、色気が無い。といって、その色気の無さもまたオレには魅力なんだけどね。彼女は曲に合の手、コーラスを付けるので、歌のメリハリが付いて非常に良い。バンドに1人異性が居るというのは、曲に変化を付いて良いよね。

The Subwaysの公式サイトはここ


ウィキペディアにバンドの経歴が詳しくでている

突然耳に飛び込んできたThe Subways

 新しいバンドを追い求めなくなったのは、20年ぐらい前からだった。オレも30代を過ぎて、ちょうど再び一人暮らしを始めた頃だ。ロッキンオンの購読も止めたのも同じ時期だった。ミュージックライフみたいになってしまった今のロッキンオンは知らないが、その頃はよくクソ見たいなバンド(いや半年後には消息も分からないクソ以下)を、「ロックの救世主現る!」見たいな大げさなあおり文句で持ち上げるクソ記事ばかりでうんざりしたというのもある。今で言うステマだね。

 その当時住んでいた家は、街から20km程離れた畑作地域の一軒家で、地上波のTVアンテナが着いていなかった。そんな事もあってパラボラアンテナだけは付けて、スカパーだけを見ていた。スカパーでは主に古いロックのライブ映像のチャンネルばかりを見ていた事もあって、耳の保守化が尚更進んだという訳だよ。ピタリと綴じてしまった新しい音への興味。実際にその頃から面白いバンドなんかほとんど無くなってしまった。

 それでも時たま思い出したようにスペースシャワーTV等を時々契約しては、ながらでチャンネルを付けていた。ほとんどの音楽はオレの耳を素通りする。そんな2000年の始まりから中期頃の事。

 そんなある日、久々にワクワクするドラムのビートがTVから流れてきた。氣になって画面を見ると上半身裸のあんちゃんが、ただ黙々とシンプルなビートを、正に全身全霊を込めて叩いている。無心にドラムを叩くその姿に釘付けになった。ドラマーはもうビートそのものになって、ドラムを叩く。オレに眠る太古の記憶が呼び覚まされるような、本能に響くビート。そしてギターアンプに置かれた、水の入ったコップは、その振動で揺れ少しづつ動いて行く。

Oh yeah / The Subways

ドラマーがアンプの上に置いたミズノ入ったグラスが振動で落ちるんじゃないかとずっと心配だったこのPV

 それがThe Subwaysとの出会いだった。2005年頃の事で、殆ど新しいものを受け付け無くなっているオレの耳の、針の穴よりも狭い関門を彼らは易々とくぐり抜けてきた。シンプルなビート。単純とも言える装飾も何もないR&R曲。彼らの情熱をありったけ込め、無駄な装飾は一切排除したR&R。そしてこれ以上無いと云うくらいにポップなメロディー。こんなバンドは、ありふれていそうで、実はそう居ないのだ! こんな豪快で爽快なR&Rバンドは。これまでロックバンドなんて、年上の、憧れる存在だったのが、気がつけばロートルバンドを除けば年下ばかりになってしまった。そんな年下なのににも関わらず、一瞬でオレのとってもお気に入りのバンドになってしまったのがThe Subwaysだった。

Rock’n Roll Queen / The Subways

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純粋にR&Rを楽しみ、演奏するThe Subways

 彼らの音を聞いていると、子供時分の音楽に目覚めた頃の聴く楽しみが蘇ってくる。演奏する事が、歌う事が楽しくて楽しくてしょうがない、そういう生き生きとした感情がダイレクトに曲から伝わってくる。ロックって本来こういうものだよなぁって、聴いていてシミジミするねぇ。

 そんな彼らもデビューから10年以上たち、中堅どころになってしまったが、今もぶれずにシンプルなロックンロールを貫いている。Nirvana等に影響されたと云うけれども、あのバンドの様な暗さがないのがいい。惨めったらしい歌は直に飽きる。シンプルなR&R、そしてこれぞ純英国産ロックバンドとしての証明は、メロディーが命です! でも歌詞に深みはないけどね。

good times / The Subways

音楽からオレの所にやってくる

 前からオレは気がついていたんだけど、オレが聞くべき良い音って云うのは、向こうからやって来る。「金の心」と同じで、必死になって探しても、そういう音に出会うなんて事はまずない。でもオレが聞くべき音は、不思議な事に、ある日突然、なんの予兆も無くやって来るんだ。

チャットモンチーThe Kooksハルカトミユキ、最近ではKrishna Das。みんな思いもかけないところから、するっとオレの心にやって来た。だから今は、ロック雑誌を毎月購読して隅から隅まで必死に読むなんて事はもうしない。良い音の方から、オレの所にやって来るのだから。


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