ドラマー恒岡章さんを偲ぶ(1971ー2023) チャットモンチーそしてHi-Standard
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2023年02月14日、恒岡章さんの死が報じられる
Hi-STANDARDの恒岡章さんが亡くなった。2023年2月14日に公式サイトで、彼の死が公表された。まだ51歳だった。とてもショックだ。現時点では死因は確認中という。
何があったにしろ、残念でならない。彼のドラム演奏を実際に2度聴いた事がある。とても素晴らしいドラムで、バンドの演奏をしっかりと支え、楽曲の魅力を何倍にも高めていた。彼のとてもシャープなドラムはもう聴く事が出来ないんだ。
ごったまぜサンプラーCDで知ったHi-Standard
恒岡さんのドラムを初めて聞いたのは、やはりHi-STANDARDでの演奏だった。もう30年ほど昔の話になるのだが、その頃パンクロックバンドのコンピレーションアルバムをよく買って聞いていた。Leatherfaceの様にものすごく良いバンドが見つからないものかと思い、そうしたアルバムで探していたのだ。
そんなコンピレーションは1枚のアルバムに、もうごったまぜにいろんなバンドがこれでもかと詰め込まれている。沢山のバンドの音が聞けて、しかもとても安い。とってもお得で楽しい廉価なサンプラーCDだった。これは新しい音を知るには格好の導入CDだった。
そのアルバム名はたしか「PUNK UPRISINGS」だったと思う。30近いバンドが(パンク・ロック・バンドなので大概演奏は早く短いからそんなにも沢山収録できる)1枚のCDに収まっていた。
その中で一番耳を引いたのがHi-StardardのCalifornia Dreamingだった。あのパパス&ママスの叙情的な歌が、そのままカッコいいパンク・ロックになっていたのだ。粗削りでいながら、随所にカッコの良いアレンジが工夫されていた。
それがHi-standardとの出会いだったが、この時点では日本のバンドだとは思ってもいなかった。のちに彼らのアルバムをCDショップ(死語)で見つけて驚愕する。日本のバンドだったのか!と。
そして20年ほど時間が経過して2014年。
チャットモンチー男陣の恒岡章さん
チャットモンチーの16枚目のシングル「こころとあたま」が2014年の10月に発表された。早速聞いて、まず驚いたのはそのドラムのサウンド。まだこの時点ではチャットモンチーがサポートメンバーを入れて新曲を録音したという事をあたしは知らなかったのだ。
それまでの2人チャットと明らかに違うドラムの音。いくらあっこちゃんが猛練習したとしても、この音は出せない。非常に早く、それでいて緩急自在。このドラムの音は明らかに、あっこちゃんじゃない。それは一聴きしてわかった。じゃあいったい誰なんだ? すぐにそのドラマーが誰か解った。恒岡章さんだった。Hi-Standardのドラマーじゃないか。なら納得だ、このシャープなドラムは。
クミコンが抜けたチャットモンチーは、2人でバンド活動を再開させた。それも驚きだったが、その次の驚きは男陣と名付けられた2人のサポートをえてチャットモンチーはまたまた大変身を遂げた。その男陣の1人が恒岡章さんだった。
その時の音をあたしはライブで実際に目にしている。2014年11月21日の9周年記念ライブ“9愛”の時の事だ(会場はZepp DiverCity)。やはり恒岡さんのドラムはシャープで、タイトで、バンドに非常に勢いをつけさせる。もうしびれるようなドラムだった。まさに新生チャットモンチーと言った感じだった。
残念ながらこの時の映像は見つからないので雑誌記事へのリンクを張っておく
■リンク:チャットモンチー「9周年記念ライブ“9愛”」
10周年記念ライブ求愛ツアーの動画ならあったのでここに貼っておく。恒岡さんも良いし、あっこちゃんのベースも、えっちゃんのギターも良い。いやぁすごい良い演奏。
■Youtubeリンク:チャットモンチー 『こころとあたま』(Live「求愛ツアー♡2015」@Zepp Tokyo)」
チャットモンチー「完結」武道館ライブ
そしてあたしが聞いた最後の恒岡さんの演奏は、チャットモンチーの最後の武道館公演「完結」での演奏だった。
ステージ後半、もっともドライブして盛り上がる場面で、恒岡さんが登場した。彼のサポートのおかげで、スリーピースのチャットモンチーが聞けたのはやはりとてもよかった。武道館各席から沸き起こる「あきら〜」の呼び声が忘れられない。
こんな晴れの舞台を盛り上げ、花を添えた恒岡さんのドラムには感謝の言葉しかない。素晴らしい演奏をして、チャットモンチー最後のステージを盛り上げてくれてありがとう、恒岡章さん。
■Youtubeリンク:【ハイスタ 恒岡章 追悼】<地声MCあり> チャットモンチー 武道館解散ライブ【みんな大好きアキラだよ!】サポート ドラマー 恒岡 章 (Hi-STANDARD)
チャットモンチーの長年のファンとして、バンドの後期をあんなにも全力で盛り上げてくれた恒岡章さんに、心から感謝を送りたいと思う。
恒岡章さんありがとう。そして冥福を祈ります。合掌。