新しい音楽はアジアから Tinna Tinh / Buddhist Mantras Vol​.​1

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Tinna Tinh / Buddhist Mantraイメージ

Tinna Tinh 出逢いは突然に!

今の時代新しい音楽との出会いなんてなかなかないものだ。ところが思いもよらないところで、予想外の新しい音楽との出会いがごくたまにある。

このTinna Tinhとの出会いも全く唐突だった。彼女を知ったのはFacebookのタイムラインだった。たまたまハンガリー人の友達がタイムライン投稿した、Tinna Tinhのビデオが目に留まった。なんとなく興味を惹かれて動画を再生した。

そのyoutubeの動画では、一人のアジア人女性がシンプルな伴奏で歌を歌っている。歌を歌っていると云うよりは、何か祝詞を唱えているような音楽だ。何か聞き馴染みのあるその節。いやオレの耳にはお経に聞こえる。

一体何だこれは! 音楽なのか? 読経なのか? だが何にしても、その音の響き、そして心地よさにオレは惹きつけられた。

You Tubeリンク:Tinna Tinh /
Buddhist Mantra Healing all suffering USNISA VIJAYA DHARANI- 佛頂尊勝陀羅尼經

この節回しは間違いなくお経だ!

お経がこんなすばらしい音楽にしてしまうなんて。西洋にはもう面白い音楽なんか何一つ無いと言っていいぐらいなのに、アジアからは、まだこんな面白い音楽が生まれてくる事に驚いた。

たしかにこれはお経だ。禅宗のお寺で聞いたお経にとても似ている気がする。そこでこの曲、Usnisa Vijaya Dharani Sutraを調べてみると、仏頂尊勝陀羅尼というマントラ(真言)だということがわかった。まさにお経なのだ。

マントラを音楽にしてしまう。いやただマントラを唱えているだけなのだが、それに少し演奏を足してみただけで、音楽になってしまったのだ。オレにはとても斬新な音楽に聞こえた。

Tinna Tinhとは何物だ?


で、Tinna Tinhさんとはどんな人なのかちょっと調べてみた。Tinnaさんはチェコ生まれ。父はベトナム人、母親はチェコ人。現在はベトナムのホーチミン在住。

1999年から女優、写真モデル、脚本家、映画の監督等多彩な才能を発揮している。だがそれらを捨てて、ベトナムに渡り真言密教系の修行に入る。

Tinnaはこれまでの経験を活かして、2020年にその修行を音楽や映像の世界に移し替え、多くの人々にマントラの恵みを広めようと云う事でこういう活動を始めたんだと思う。

その結果生まれたのが、この音楽やビデオということだ。現在彼女の音楽は、YoutubeやSpotify等で聞くことが出来きる。なぜだかそしてAmazonやApple musicでは、彼女の1stアルバムを電子配信の形で聞くことが出来る。

2021/04/13追記:何故か理由が分からないが、youtubeではのきなみこのお経シリーズの音源は再生不可になってしまった。amazonでも販売が取り消されている。Spotifyでも再生出来ない。残念だ。

amazonやSpotifyでは再生出来ないけれども、youtubeでは彼女の読経を聞く事が出来る。いくつかの曲へのリンクを下記にはっておく。楽しんでください。

youtubeへのリンク:Vajrasattva Mantra

youtubeへのリンク:Medicine Buddha Mantra

youtubeへのリンク:Usnisa Vijaya Dharani Sutra

youtubeへのリンク:Vajrasattva Mantra

youtubeへのリンク:Dzambhala Mantra

Tinna Tinhの1stアルバム、Buddhist Mantras Vol​.​1

1 Vajrasattva Mantra (Drums Version)
2 Medicine Buddha Mantra
3 Usnisa Vijaya Dharani Sutra
4 Guru Rinpoche Mantra
5 Vajrasattva Mantra

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このアルバムには5つの曲が収められている。どれもマントラに音楽をつけたものだ。リリースは2020年11月22日。演奏時間は約45分間で、日本円で1200円程で発売されている。

いずれの曲もマントラなので、日本語では一体なんと呼ばれているお経なのかちょっと調べてみた。

1曲めのVajrasattva Mantraというのは、金剛薩陲百字明咒のこと

2曲めMedicine Buddha Mantra、これは薬師如来のマントラ
メディスンだから薬に関するマントラということだろうと思っていたが、薬師如来のマントラでした。

薬師如来は東の浄土を瑠璃浄土を統べる如来様。アジア人には常識なのだろうが、オレは今までそんなことを知らなかったよ。浄土は東西南北各地にあり、西にある浄土のことを極楽浄土と呼ぶ。なので浄土とは西だけにあるわけじゃないのだ。ああ教養が欲しい。

3曲めUsnisa Vijaya Dharani Sutraは仏頂尊勝陀羅尼のこと

4曲めGuru Rinpoche Mantraは蓮花生大士Padmasambhāva)といい、これはチベット仏教のマントラだった。

Tinnaの作品は、Spotifyかyoutubeで視聴出来るよ。

これからはアジアの時代が来ると思う

そんなわけで、お経(マントラ)をなんとも心地のいい音楽にしてしまうなんて、日本人みたいな似非仏教徒には思いつかないアイディアだろうとオレは思う。お経は葬式のためにあるのではなく(仏教界の金儲けのネタ)、日々の生活に密着したものなのだ。

Richie Blackmoreがインタビューで、「この30年間何一つ新しい音楽がでて来なかった」と言っているのを見たことがある。30年間かはともかく、オレにとってこの20年間は、新しい音楽との出逢いはなかった。

どれもこれも昔聞いたことのあるものばかり。もしくは何度めかの何かの焼き直し。なんとかリバイバルばかりだ。

音楽情報を見ていると、話題になるのはもう化石のようなロートルロッカーの新譜のリリースだったりする。サーなんて呼ばれて、印税収入世界一なのにまだファンから金を巻き上げるつもりなのか? いい加減ファンに少しは還元しろよと思う。

そんな守銭奴の事はどうでもよくて、Tinnaの音楽を聞いて、つくづくこれからはアジアの時代が来るとオレはますます確信を深めるのだ。Vol 2が楽しみだ。

※2022/06/12追記:Vol2,Vol3が公開されていた。詳細は以下の記事を読んでください。


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