マザーの無いポリスのシンクロニシティーなんてスティングのソロアルバムだ

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SynchronicityはThe Policeの最高傑作か? 

 40代〜50代の友達と音楽の話をしていると、多くの人がThe Policeのsynchronicityは最高傑作だと大絶賛する。ヒット曲満載で、確かに良いアルバムではある。だけどもその評価にオレは何かちょっと違和感を感じるんだな。オレに言わせれば、これはThe Policeの最高傑作じゃなくて、最高に売れたアルバムだと。

 Synchronicityが発表されたのは1983年の6月17日(U.K)。U.Kとアメリカのアルバムチャートで最高位1位を獲得している。アルバムの多くの曲がシングルカットされていて、1983年から1984年にかけて、一年中The Policeの歌がヒットして流れていた印象が有る。

収録曲は
1 Synchronicity I
2 Walking in Your Footsteps
3 O My God
4 Mother

 

5 Miss Gradenko
6 Synchronicity II
7 Every Breath You Take
8 King of Pain
9 Wrapped Around Your Finger
10 Tea in the Sahara
11 Murder by Numbers(LPには未収録)
 
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■synchronicity2 / The Police

■Wrap around your finger / The Police

 これらのビデオなんかわざわざ貼るまでもないくらいにメジャーで有り触れて居るけど、しばらくぶりに見ると懐かしいね。深夜眠い目をこすってMTVを見ていた時の事を思い出すよ。

 さてこのsynchronicity、曲も粒ぞろい、音だってすごく良い、どの曲の演奏も実に丁寧に作られている。Stingの作曲家としての能力の頂点が、ここに記録されているとオレは思う。確かに傑作アルバムではある。

 でも、何だかこのアルバム空虚なんだよね。一言で言うと、「氣」がちっとも充実していない。何だか寒々しているんだ。レコーディング時にメンバーが一緒にスタジオに入らなかったとか、非常に険悪な雰囲気でこの作品は作られたとか、いろいろ伝わってきている。そんな冷たい空虚さが、このアルバムから感じられるんだよ。それに対して、1stや2ndは、はち切れんばかりの「熱氣」が音の1つ1つに満ち満ちている。

 氣功術では取り込んだ氣を、最後には収功といって氣を納めなければならない。アルバムSynchronicityはバンドとしての収功なのかもしれない。バンドを終らせる為にどうしても作らなければ成らなかったアルバムがSynchronicityだったんじゃないか。

The policeサウンドの要はAndy Summers

 そんなわけで、オレにはそれ以前のアルバムに比べるとどうしても面白くない。1stの2ndの勢いや、粗っぽさ、そういったエグミがアルバムの面白だと思うんだよ。このアルバムにはそれがかけている。言うなればStingのソロアルバムの0枚目と云う位置づけが、このアルバムに相応しい気がする。でもやはりThe Policeのサウンドになっているのは、やはりAndy Summers師匠(オレにとって師匠と呼ぶギタリストはAndy SummersさんとRobert Frippさんの2人だけ)のギターがあるから。

Andy Summers師匠のあのギターが、それこそがThe Policeサウンドの要なんだとオレは思う。Synchronicity1と2のあのソリッドなギター、Miss Gradenkoのもやもやとしたアルペジオ、Wrapped Around Your Fingerのカッティング、これらのギターがなければ、どの曲もアクのない単なる口当たりの良いだけのポップスじゃないか。

 春、そちこちに出てくるフキノトウ。そのフキノトウは苦味が良いんだよね。苦味のない、まるで水菜みたいな味のフキノトウだったら、誰も食べようなんて思わないだろう。そうAndy Summersのギターがなければ、The Policeは、まるで茹で過ぎた味気のない山菜の様なものなんだ。Andy SummersこそThe Policeサウンドの要なんだ。

Motherがなければ、このアルバムがもっとよくなるのに、だと!

話変わって、このアルバムが出た当時、クラスメートとの会話で、「Synchronicityさぁ、A面4曲目のMotherって曲、あれはなんなんだ?」 って良く云われていた。「あの曲さえなければ傑作アルバムなのに」「あの1曲がこのアルバムを台無しにしている」とも。とっても酷評されるか、全く無視されて、聞く時もスキップされてしまうのがMother。まるでJohn LennonのDouble Fantasyの小野洋子の曲のような扱いだ。確かに小野洋子の曲を省いて聞くとDouble Fantasyの印象はがらりと変わる。


 そんな酷評だらけのMother。これはAndy Summers師匠の作曲、歌唱曲。ベースのリフも実に単純だから、ひょっとしたら他のメンバーは手伝ってくれなくて、全部1人で演奏したのかもしれない。

 実はこの曲がオレにとっては一番のお気に入りなのだ。曲の出だしを聞いただけでにんまりしてしまう。The Policeのアルバムを聞いていて、突然Robert Frippの世界に突入しちゃうのだから。笑わないわけが無い。


 1982年に「I Advance Masked」というFripp & Summersのコラボ作品があって、その影響がThe Policeに持ち込まれた、Frippに汚染されたのが、この曲Mother。

 あの80年代King Crimsonの独特なギターリフはRobert Frippが考案したものだと多くの人が思っている。だからMotherのあのへんてこなリフは、Fripp病に感染したものだと思っているだろう。だが、昔読んだロック雑誌のインタビューに意外な事が書かれていた。80年代King Crimsonのあの印象的なギターリフは、実はAndy Summersの弾くギターにヒントを得たという。ちょっと探してみたけれども、オレの記憶を裏付ける記事が見つからないが、そんな事が書かれていた。


 そんな訳でAndy SummersとRobert Frippの2人がお互いがお互いに影響を与えて、80年代King Crimsonやsynchronicityを生んだのかと思うと面白いよね。

 Andy Summersのギター有ればこそ、The Policeのサウンドが確立される。そして傑作ぞろいのSynchnonicityだけども、みんなから毛嫌いされるこのMotherがあればこそ、このアクの少ないアルバムに良い風味が付け加えられてバンドとして最後の作品として成立しているのだ。Motherはこのアルバムにとって、とても大事な「エグミ」なのだ。だからこの曲こそがsynchronicityの救いと云える。だから、この曲をスキップして聞いてはいけない。可能なら正座して聞きなさい!

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