今日はブルーマンデー ニューオーダーを一日中聞いていよう New Order / Blue Monday(1983)
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バスドラムの連打が深夜に響く
New Orderとの最初の出会いはBlue Mondayだった。この曲を初めて聞いたのは、たぶんNHK-FMの深夜番組、クロスオーバーイレブンだったと思う。ラジオのヒスノイズを押しのけるように、バスドラムの連打が鮮烈で、なんだこれはと耳が惹きつけられた。それから始まる躍動的なシンセサイザーの音色。
それは1983年の初夏の頃で、その頃はもうテクノポップムーブメントは過ぎ去り、シンセサイザー、シーケンサーによる演奏はもうごく当たり前になってしまっていた。その頃のポップスなんか、ちょっと前ならテクノポップと呼ばれてもおかしくない音が普通になっていたよ。もうこの音はただのダンスミュージックだった。
だけども、ただのダンス音楽にしては、何かが違っていたんだな。ノリノリのビートに対して、なんだか古井戸の底から響くような、陰を帯びた下手くそなボーカル。その対比が、ただのダンスミュージックにならない何かがあった。
Blue Mondayについて
Blue Monday日本盤12インチシングルがそれから程なく発売になった。そジャケットはシンプルな、何だか良くわからない幾何学的なデザイン。大学生になって、コンピュータ概論の授業に必要だったので、5インチのフロッピーを購入した時になってやっと気がついた、あ、Blue Mondayのジャケットはこれだったのかと。
それとつい先日知ったんだけど、ジャケットの右にいろいろな色で幾何学模様が付いている。これって単なるデザインだとずっと思っていたのだが。下リンク確認。
なんと、これが暗号カラーコードで、デコードするとFAC73 BLUE MONDAYと読み取れるんだとか。このシングルを買ってから35年経って初めて知ったよ。驚くね。
リンク:ニュー・オーダー『権力の美学』 新たなカラーコード・メッセージも描かれた35周年記念アートプリントが限定発売
イギリスではBlue Mondayは、1983年3月7日にファクトリーレーベルより発売されている。カタログ番号はFAC73。全英チャートは9位。アメリカのダンスチャートでは5位になっている。B面は「THE BEACH」で、blue mondayのインスト版だ。
Blue Mondayで歌われる憂鬱な月曜日の意味
この当時、この曲の歌詞の意味が良くわからず、曲名の意味もわからず聞いていた。ただノリの良いカッコいい曲として。ドラムのビートに合わせて、スピーカーのコーンが前後によく動いていた。
その同じ年、同級生の佐々木君から勧められてJoy Divisionの2ndアルバムを借りて聞いた。その時にNew Orderと言うバンドがどういうバンドなのか、そしてBlue Mondayとはどういう事なのかを知り、がく然とした16歳の冬。
1980年5月18日がそのBlue Mondayだった。Joy Divisionがまさにアメリカツアーに出かける前日、ボーカルのIan Curtisは自殺してしまったのだ。
そんな暗い暗い出来事を、こんなノリノリのダンス音楽にして歌ってしまうイングランド人の屈折具合っていったい。Ian Curtisもまさか自分の死を、こんな賑やかな楽曲のヒット曲にされるとは想像すらしていなかったろう。
Ianは陰鬱な歌ばかり作っていたが、冗談を言ったり、人を笑わせたりするのも好きだったそうだ。だから、暗い歌詞に明るいノリノリの曲を付けるって云うのも、何だか冗談のようで、Ianに向けて作った歌として相応しいのかもしれない。
今日は休み明けの出勤日。昨日はハッピーサンデーだったが、今日はブルーマンデー。そういやHappy Mondaysってどうでもいいバンドがあったけど、このBlue Mondayをもじってこんなバンド名にしたんだってね。奴らもマンチェスター出身だ。捻くれた冗談ばかりの連中だな。
それはともかく、この休み明けの嫌な月曜日は、無理してでもノリノリで仕事をしなきゃこの1週間は乗り切れない。そうか、だからBlue Mondayはこんなにもノリノリなのか。無理してノリノリを装っていなきゃ、やってられねーよって事なのだ。
今日というBlue Mondayが終る。そしてまた次のBlue Mondayがやって来るのだ。
憂鬱な月曜日は一日中この曲を聞いていたいという人にぴったりのブルーマンデーのミックスがあるよ。
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