アンスラックスはパンクでも、ラップでも何でも取り込むヘビメタバンドなのだ

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アンスラックス感染ではありません

ロックは犬なんだよ。しかも雑種犬なんだよ

 何でも混じって何が悪い。ロックは犬なんだよ。しかも雑種犬なんだよ。何でも混じっているんだ。そうだ、うちの犬(一応正統なラブラドール)なんか、純血犬のはずなのに、なんだかビーグル見たいな顔をしているぞ。血統書はついているけど、絶対に何か混じっているに違いない。

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 長らく渋谷陽一・ロッキンオンの洗脳下にあったので、「メタルは敵だ」がオレのロック生活の信条でもあった。なんだけども、もともとはパンクを好きになる前はヘビーメタル、ハードロックが好きだった。Iron MaidenだのOzzy Osbourneだの、Deep Purple、White Snake、Gilanなんかよく聞いていたよ。

 でも、サウンドストリートで、メタルは悪だ、ダサいなんて聞かされ続けていたら、転向しちゃうよな。そんな訳で、高校生の頃、周囲はヘビメタブームで、メタルファンばかり。洋楽聞いているヤツの大半は何奴もこいつも、Def LeppardやJudas Priest、SAXON、もちろんIron maidenに伴 俊作、、、じゃなかったVan Halenなんかのアルバムを小脇に抱えていた。

 面白いのは、何故かツッパリ君(といってもオレの高校は田舎の進学校だったので、見かけだけのなーんちゃってツッパリ君)に限って、日本のメタルが好きだったりした。アースシェイカーとか、44マグナム、はたまたラウドネスとか。ありゃハードなギターを伴走にした演歌だ。

オレはパンク好きの仲間とつるんでいたので、そういうメタル好きの奴らをダッセーと小ばかにしていた。だけども本当は大きな声じゃ言えなかったけど、やっぱりヘビーメタルも大好きだったんだよ。パンク好きの振りして、実はこっそりとDeep Purpleなんか聴いていた人居るでしょ? 

Anthrax & Public Enemy / Bring the Noise

AnthraxのPersistence of Timeを買う

 そんなオレだったが、実はメタルも好きだと素直に言える時がやってきた。それは大学生の時だった。オレは昔から変なものが好きで、「ヘビーメタルバンドなのにラップをやっているバンドがある」なんて話を聞くと、それがどんな音か氣になってしょうがない。そういう型から外れてしまうものに、引きつけられるんだよ。ロックって本来は自由なものだと思うし。

 そんな訳でメタルバンドなのにラップもやるって言う、Anthraxがとっても氣になった。

 ある日、大学の授業の帰りに立ち寄ったお茶の水のディスクユニオンで、思い切ってAnthraxの新譜「Persistence of Time 」を買っちゃたんだな。しかも中身を聴きもしないで。考えてみればこれが、人生で初めて買ったヘビーメタルのアルバムだったよ。1990年リリースの作品だ。

 まるで工事現場の何か工作器具が、フル回転で回っているようなノイズ、いやギターのリフから始まるこのアルバム。正直なところ、ハードコア・パンクも聴いていたオレには違和感の無い音だ。

 もう冒頭から強制的に盛り上がります。ズンズンズンズン、まるで巨大なローラー車が街を非情にぶっ潰して平らに延してして行くみたいな、この爽快感。しかも最後の曲なんか、ハードコアパンクといえばDischargeのカバーなんか入っている。パンクとメタルには垣根なんかなかったんだ。垣根はファンが作っているもんだって、この時思ったね。Anthraxは自由だ。ロックだと。

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 アルバムは、全12曲(12曲目は日本版だけのボーナストラックで、Dischargeのカバー。元曲はパンクだが、全く違和感なし!)

★曲目リスト

1.Time
2.Blood
3.Keep It in the Family
4.In My World
5.Gridlock
6.Intro to Reality
7.Belly of the Beast
8.Got the Time
9.H8 Red
10.One Man Stands
11.Discharge
12.Protest and Survive

 
 このアルバムで一番好きな曲はOne man stand。このイントロが流れてきたら直立不動になっちゃって、ヘンドバンクに備えちゃうよな。この曲は当時中国の天安門事件の時に、たった1人の男が戦車に立ちはだかり、その戦車を止めてしまうという出来事があった。これはその男を歌った曲。たった1人でも、立ち上がればこれだけの事ができるんだという歌。メタルにしては非常に政治色が強く、ハードコアパンクの精神がここに生きている。まるでDischargeそのものだ。

 こんなことを切っ掛けに、その後オレの音楽趣味はどんどんジャンルにとらわれずごった煮になって行く。

Got time / Anthrax

Time / Anthrax

パンクが好きだからって、ヘビメタを聞いちゃダメ何てことは無いんだ

 結局のところ、Nirvana見たいなバンドは(やつらはオレと同世代だ)、パンクの洗礼、メタルの洗礼、ビートルズなんかの洗礼を同時に受けて育ってきた奴らだから、自然と全部がごっちゃになってしまう。だからNirvanaは基本パンクの音なのだが、ハードロック、ヘビーメタル風味も添加されていて、おまけに鼻歌で歌えるキャッチ―なメロディー付き。同じような音楽遍歴を、国は違えども経験したものとしては、その気持ちが良ーく判る。

 身の回りにいるパンクバリバリとかメタルバリバリのオッサンがいたらよく観察してみるといい。こっそりとメタルや、パンクを聴いているから。もっと自分に素直になろうよ。Sex Pistolsが好きだから、Iron Maidenを聞いちゃダメなんてことは無いんだ。

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ここまで読んで頂きありがとうございます。

私の記事をソーシャルメディア等でシェアしていただければありがたいです。 東倉カララ

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