ザ・フー/ライブ・アット・リーズ(1970) 聞くなら破壊力抜群のオリジナル版

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ザ・フー ライブ・アット・リーズ

ロックのデストロイヤーと呼ばれたザ・フーなのだが、、、、、

オレは高校時代にThe Whoを知った。クラシックロックバンドだが、The WhoはThe Beatles見たいな良い子ちゃんバンドとは違った、パンクの先駆けのカッコ良いバンドと思っていた。だがThe Whoの本当の凄みを知ったのは、大学1年生の春(1987年)にLive at Leedsを聞いた時だった。

The Whoがどんなバンドか知りたければ、Live at Leedsを聞くと良いと思う。この記事で云いたい事はこれだけだ。だが以下にその理由を、いつもの様にくどくどと述べてみようと思う。

1980年代半ば、日本でのThe Whoの立ち位置は、The Beatles、Rolling Stonesの次に位置する大物イギリスロックバンドと言った所だった。3番手のバンドじゃ、アルバムの国内版は殆どが廃盤になっていて手に入らない状態だった。

そんな状況だったが1986年に廉価盤でTommyとWho’s nextのLPが再発された。The Whoの傑作アルバム2枚、もちろん即手に入れましたよ。聞いて納得、素晴らしい楽曲に演奏、両アルバムともに、とても文句の付けようの無い無いようだった。だが、だが、、、、、、。

The Whoはその当時、ロックのデストロイヤーという称号がついていた。パンク・ロック旋風が吹き荒れる70年代後半、殆どの60年代の大物バンドが否定された。だがパンクバンドから敬意を表される数少ない例外がThe Whoと云うわけだ。The Whoこそパンクのゴッドファザーと云うわけだ。ところが、、、、。

オレがTommyやWho’s nextを初めて聞いた時の違和感とは、まさにこの事だった。これがパンクのゴッドファザーの音なのか?という事。ちっともデストロイヤーじゃない。パンクじゃなく、極く普通のロックバンドじゃないか。これだったらDeep Purpleの方がはるかに過激に聞こえるじゃないか。

Live at Leedsで知る、The Whoのデストロイヤーぶりを

そんな違和感を持ち続けていたThe Whoだったが、Live at Leedsを聞き、何故パンクロッカーがThe Whoに敬意を払うのかをオレは知る。

進学の為上京した第1日目に何故か買ってしまった、Live at Leeds。再生して数秒後に納得する。これはまさにデストロイヤーの音だ。巨大な戦車が有無を言わせず、何もかも踏みつぶしてどこまでも真っ直ぐに進んでいくようなアルバムだ、これは。

アルバム1曲目から怒濤のように、荒く激しい演奏が繰り広げられる。演奏される音が、文字通り怒濤なのだ。同時代のハードロックバンドがヤワに思えるような、圧倒的な暴虐の音の壁のような演奏が収められている。わずか36分24秒たらずの、驚異の経験だった。この音はまさにゴッドファザー・オブ・パンクに相応しい。

その演奏の何がすさまじいかって、聞けば判る。リード・ドラムとリード・ベースと呼ぶしかない、あのリズム隊の演奏が。貧相なPeteのギターを伴い、ドラムとベースが曲をズンズンと進行させる。これがThe Whoの本当の魅力だったのだ。

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注:いろいろ探してみたのだが、今現在残念ながらCDで、live at Leedsのオリジナル版は非常に手に入れ辛い云う事が判った。オリジナル版を聞くにはLPで聞くしかない。だがLPこそ彼らの魅力を存分に味わえると云うものだ。

アルバムLive at Leedsについて

オリジナル版収録曲は、たったの6曲。でもプログレではありません。
A面
1 Young man blues
2 Substitute
3 Summer time blues
4 SHakin’ all over
B面
1 My generation〜メドレー
2 Magic bus

現在Spotifyでは25周年版(1995年発表)で聞く事が出来る。

Live at Leedsが発表されたのは1970年5月23日(U.K)。ライブの会場はイングランド北部、Leeds大学でこのライブは録音された。オリジナル版の収録曲は6曲だが、1995年に25周年版で15曲に増え、2001年のデラックス・エディションでは33曲に大幅に収録曲が拡大されている。ここではこれ以上細かい事は述べない。詳細はウィキペディアの項を読んで欲しいと思う。

リンク:Live at Leeds ウィキペディア日本語版による解説

記録とアルバムは別物だという事

オレが大学時代に熱狂して聞いていたのは、勿論たった6曲しか収録されていないオリジナル版である事は言うまでもない。

ある日Live at Leedsのデラックス・エディションなるものが発売されている事をオレは知った。もちろんオレは喜び勇んで買ってしまったよ。長年聞き込んだこのアルバム。デラックス・エディションには、その日演奏された全てが納められている。長年のファンとしては当然聞きたくなるのも当然だ。

CD2枚に当時の演奏がびっしりと収録されている。ああなんて至福だろうと思って聞き始めてみたのだが、、、。だが、、、、、。

本来ならThe Whoの完全なライブが聞ける事で、非常な悦びがあるはずだった。だが聞き終えたオレの胸に去来するのは、「ツマラナイ」。

20歳のオレが熱狂して聞いたLive at Leeds。しかも完全版なのに、ちっとも盛り上がってこないのだ。確かにどれも素晴らしい熱狂の演奏で、Tommyは完全演奏されている。

だが、なんか間延びして面白くないのだ。曲と曲の間にMCが入って、なんだか高田渡のコンサートでも聞いているような、なんとも言えないホノボノとしたやりとりが、強熱に冷や水を注ぐ。オレが熱狂したものはいったいなんだったんだろう?

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CDだとオリジナル版が手に入れづらいので、1995年発売の25周年記念盤で我慢か。

オリジナル版こそ、まさに熱狂のライブ

そこでオレは思った。記録とアルバムは別物なんだと。確かにオリジナルのLive at Leedsは曲数も少なければ、収録時間も経ったの37分だ。だが、それで十分なのだ。いらないモノを削り取ったからこそ、The Whoの破壊力がいや増しされ、その狂熱度が高まるってものだ。オレが聞き込んだオリジナル版のLeve at Leedsは、レコードという制約があればこそ、いらないMCを削り、曲数も制約されこんな短いアルバムにされてしまった。

だが、そうしたからこそ、The Whoの魅力、熱狂度、破壊力が高まったのだ。聞いていて頭の中が真っ白になるような熱狂は、デラックス・エディションを聞いていたんじゃ得られない。年寄りが若かりし頃撮影したビデオでも見ているような気分になる。

そんな訳で、オレはLive at Leedsについては、絶対的にオリジナル版を聞く事をお勧めする。それを卒業してから、どうしても全体を聞きたい人だけ、デラックス・エディションを聞くと良いと思う。本当に圧倒される、デストロイヤーぶりを堪能するのなら、オリジナル版Live at Leedsだ。

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パチパチというノイズが気になる?

ところでこのアルバムを熱心に聴いていると所々で、パチパチとレコード針が埃を拾ったようなノイズが入っているのに気がつくと思う。当時、CDの不良ではないかと(そんなことはあり得ないのだが)、ディスクユニオンに持ち込み交換してもらったぐらいだ。

だがこのノイズについては、レコード盤のレーベルには「Crackling noises OK. Do not correct!」と言う言葉が書かれているそうだ。日本語版CDには勿論そんな事は書かれていないわけで、当時のオレはこのノイズが気になって気になってしょうがなかった。ライナーノーツにでも一言かいてくれれば、ディスクユニオン・お茶の水駅前店に迷惑を掛けずに済んだのにと思う。


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