ピンクフロイドとチャーハン エコーズを聞く度に奴が浮かんでくる

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エコーズをイメージした画像

ピンクフロイドなんて何が良いんだ?

 これは高校2年生の時の話。2学期の始まったばかりのある朝、「チャーハン」は教室に入ってくるなり、「Pink Floydって、あんなものの何が良いんだ? オレにはさっぱり判らんわ。」と言い放った。

 オレが中高生の頃FMラジオはとても貴重な情報源だった。そして夏休みの夜には、ロックバンドのライブが夏休み特集として連日放送されていた。それがとても楽しみだった。(断るまでも無くそれはNHK-FM。当時は民放FMは道東では開局していなかった。広い周波数なのに、受信出来る放送局は1局だけだった。1980年代半ばの話)

夏休みなんか特別番組で5夜連続ロックバンドのライブの放送なんて、夢のような番組もあった。そんな番組で、いろんなバンドのライブを聞く事が出来たのだ。「夏休み最後の週をホットなライブでお過ごしください」なんてね。


 さて、そんな8月の後半、FMラジオでロックバンドのライブが放送されていた。その日はPink Floydの70年代前半、ちょうどMeddleが出た頃のライブだった。One of these daysから始まり、最後はEchoesで終わる感動的なライブだった。オレはもちろんエアチェック(←死語だねぇ)したさ。ブートレッグなんてロッキンオンの広告欄でしかお目にかからないものなんかもちろん買えない(とても高価だったよな)。なのでこういうFMでの放送はとても貴重だったのだ。

One of these days / Pink Floyd
ブッチャーの入場曲として有名だね

チャーハンとあだ名された嫌われ者

 さて、チャーハンと云う同級生だが、こいつはオレと同じ町出身の男。不幸な事に高校まで一緒だったので、奴とは小中高と12年間同じ学校に行った訳だよ。チッ。こいつは小学生の頃から無意味に自己主張が強く、なんでもオレオレと、呼ばれていなくても顔を出すタイプだった。叩かれ続けている出るクイなのに、そんな事を全く気にしない、無神経に手足を付けたような奴だった。今は地方の金融機関に勤めているから、きっと強引に詐欺まがいの保険なんかを年寄り相手に売りつけているんだろうと思う。


 高校になって2年、3年と不幸な事に奴とは同じクラスになってしまった。同じ町出身の連中はそんなチャーハンの鬱陶しい振る舞いに慣れていたのでなんとも思っていなかったのだが、他の地域から来た連中はそうじゃなかった。

でも奴はいじめられる様なタイプでも無いので、チャーハンの姿が見えなくなると多くのクラスメートが奴の陰口を叩いていた。日々奴の行動は同級生の格好の話のネタになっていたのだ。でもチャーハン本人だけ、自分が嫌われている事に気がついていない。ある意味幸せな人間だと思う。

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なぜ奴にチャーハンというあだ名が付いたのか?

 やっぱりある朝「いや~~、今日は朝飯にチャーハン死ぬほど喰ったわぁ~~」と言いながら奴は教室に入ってきた。それを聞いたクラスメートは「じゃあ死ねよ」ってつぶやいていた。そしてその日から奴のあだ名は「チャーハン」になってしまった。

そのうちチャーハンの悪口を言っているのが本人の耳に入って来て、「ねーねー、チャーハンって誰の事よ。ねーねー、教えてくれたって良いじゃないか!」とクラスメートに聞いていたな。でも、みんな奴の事なんか大嫌いで不親切だから、チャーハンが誰かなんて教えるヤツは一人もいなかった。結局、奴は自分がチャーハンじゃないかと薄々感じたまま、チャーハンの正体を知る事なく高校を卒業して行った。

それにしても、こんな長尺の曲なのにこれまでに何百回繰り返し聴いた事か

 未だにEchoesを聞く度にチャーハンの事が頭に浮かんでくるのが忌忌しい(笑)。あの耽美な曲がチャーハンのせいで台無しだ。憎まれっ子世にはばかるとは、チャーハンのためにこそ有る言葉だ。


 チャーハン曰く、退屈で何が良いのか判らないと言い捨てたPink Floydのライブなんだけど、そうは言いながらも奴は最後まで聞き通したのが不思議に思う。面白くなかったのなら、最後まで聞かなければ良かったのに。


面白くない本は、読むのを止めるべきなのだ。人生は短いよ。もっとしなきゃならない大事な事に時間を割くべきだ。だけども、アホはそういうツマラナイものでも、最後まで読んでしまう、聞いてしまう。

Pink Floydの音楽に意味なんかあるのか?

 Pink Floydの音楽には他のバンドと違い、何か不思議な雰囲気、神秘的な雰囲気が溢れているように聞こえる。彼らの感じたビジョンを音にするとああいう音楽になるんだろうか。


 いや実はPink Floydの音楽は単なるこけおどしなのかも知れない。中身なんかなーんにも無い空っぽの音楽なのかもしれない。大げさな演奏で、聴衆に凄いものを聴いた気にさせる音楽。そう、深い意味なんてものはPink Floydの音楽の中には無いのかもしれない。


 でもそこに何か深遠なものを感じたのなら、それは貴方が作り上げたものなんだ。そこに神秘を見つけたのなら、それは貴方が見つけたもの。この世は貴方の心が作り上げたモノなのだから。だったら、この世をもっと良い世界にするのは貴方の心次第。Pink Floydの音楽には、そんな秘かなメッセージが込められているのかも知れない。

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※アイキャッチ画像は、失敗した写真がMeddleのジャケットみたいだったんで入れてみた。意味はありません。


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