フリップ&サマーズのコラボが、ポリス解散の始まりだったのかも?

sponsor link
created by Rinker
¥1,700 (2024/11/21 08:26:51時点 Amazon調べ-詳細)

もしAndy SummersがThe Policeに加入していなかったら……

 The Policeの殆どの曲を作ったのはStingで、彼の作曲能力が無ければこれほどまでにあのバンドは成功しなかったと思う。だけれども、もしギターがAndy Summersじゃなかったら、やはりThe Policeは凡庸な何処にでも居るポストパンクのバンドの一つとして埋もれて、これほどの成功は無かったんじゃないかとオレは思っている。

 アルバムジャケットなんかを見ると、いつも気難しそうな顔をしているAndy Summers師匠(オレが師匠と呼ぶギタリストはたった2人だけ。AndyさんとRobert Frippさん)ですが、あのバンドで本当に一番の気難しがりやはStingだと思っている。

 The Policeの中で他の2人よりも10歳以上年上のAndyさんこそが、気難しいStingや、ちゃらんぽらんなヤンキードラマーを手懐けて、あのバンドをまとめあげていたんだろう。その苦労が、あの苦渋の顔に表れている。

 60年代からプロミュージシャンとして生き延びた、キャリア豊富な音楽職人肌のAndyさんが居なければThe Policeは、あんな大成功をする事なく瓦解していただろうと思う。インタビューなんか読んでみると、楽屋ではメンバー間で喧嘩ばかりしていたそうだ。2000年に入ってからの再結成ツアーについて、再結成した事をリハーサルの段階で後悔したという事をAndyさんが語っていた(笑)。

 最も影響力のあるギタリスト・ベスト100なんていう投票を見てみると、必ずランキングしているAndyさん。以外と世間はちゃんと見ているものだ。ランキングの順位と違って、彼は実際とっても素晴らしい創造性溢れたギタリストだと思う。

 ランキングの上位には70年代までの活動で才能の燃えつきた、30代にして老後入してしまった有名ギタリストが多数いるが。そんな想像力の枯渇したギタリストとAndyさんはほぼ同世代なのに、彼はこんなにも創造性が枯渇しなかったのか? ひょっとしたら、The Policeの様に若いミュージシャンと日々真剣勝負で闘っていた音楽創造していたのが良かったのかもしれない。その代わり眉間のしわが深く刻まれてしまったが。

80年代に作られたRobert Fripp & Andy Summersのコラボアルバム

 Summers師匠はThe Policeの活動中に、Robert Fripp師匠とコラボをしていて、アルバムを2枚発表している。1982年の「I Advance Masked」と1984年の「Bewitched」の2枚だ。同郷同士(イングランドのドーセット州)ということもあり、スタイルの違うギタリスト同士が、交換日記でも作るように楽しくギター演奏に没頭したようだ。これはThe Policeでは味わえない音楽創造だ。このようなコラボの影響も、後のThe Policeの活動停止に影響していると思う。なんせThe Policeじゃいつも険悪な雰囲気で、良いものを作っても楽しくないんだから。

♪Andy Summers & Robert Fripp – I Advance Masked

♪Andy Summers & Robert Fripp – Parade

 それにしても変なビデオだ。このビデオはもう30年以上前に作られたFripp&Summersの2曲。当時はこんな変なビデオが作られているとは思ってもいなかった。方やThe Policeで大成功して億万長者で、方やKing Crimsonの活動も一段落して次は何をするのかと思っていたら、超趣味の世界に入り込み、多くのロックファンを煙に巻く2人。
 このアルバムについて2人がインタビューを受けているのだが、プログレファンには実に興味深い事が随所に語られていて、長いけどこの記事は必読だよ。

Robert FrippとAndy Summersが二人の共作アルバムについて語る

http://rocqt.net/131122
created by Rinker
¥4,221 (2024/11/22 00:50:47時点 Amazon調べ-詳細)

 このインタビューを読む限り、このFripp & Summersの1stは、Summers師匠がFripp師匠が呈示した元の素材に、せっせと肉付けをして完成させていたようだ。そう考えると、たしかにAndy Summersの超趣味的ソロアルバムに、Robert Frippがギターソロで参加といった趣がある。The Policeのアルバム制作と違い、余計なストレスがなく、自分の好きな事を好きなように没頭して作ったアルバムという事がよーく判る。音楽家だけに音楽のストレス(The Police)は音楽(Fripp & Summers)で発散するって事だ。

 このコラボ以前では、つねにあの口やかましい2人と緊張状態で音楽を創造してきたSummers師匠。そんな音楽創造の場を長年続けて来た身には、Fripp師匠とのコラボで、音楽を作り出す事がこんなにも楽しく、自由で、そして喜びに満ちている事をあらためて感じたろう。

 初めて知るStingなんかのいない、喜びの音楽の創造。それを知ったらThe Policeでアルバムを作るなんて、辛い作業に戻りたいと思うだろうか。自由と喜びを知ったSummers師匠は、自然とThe Policeの活動から身を引く事を意識し出したろう。このインタビューを読んで見てオレは思った。

 Robert Frippと共作する事で音楽を作る自由、喜びに再び気が付いたAndy Summers師匠。それがThe Police崩壊の始まりだったのかもしれない。世界的ビッグネーム・バンド崩壊の要因になった、罪作りなFripp師匠(笑)。

 という事でこの2枚のアルバムがなければその後のSynchnonicityも作られなかったのかもしれない。The Policeに転機をもたらしたそんな重要なアルバムなのだが、残念ながら現在は廃盤。アマゾンじゃ高価なプレミアム付き。もっと多くのファンに聞いてもらいたい作品なのに。

created by Rinker
¥7,006 (2024/11/22 00:50:47時点 Amazon調べ-詳細)

■私のブログ記事内のリンクの一部はアフィリエイトリンクを含んでおります。詳しくはサイトポリシーをご覧になってください。

コメントを残す