陰々滅々 暗い歌11選 鬱な時には陰鬱な歌が心を癒す

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陰鬱な、暗い歌が病んだ心を癒す

暗い歌は陰鬱な心を癒す

痛みがあると云うのは、とても憂鬱なものだ。オレは3年前から三叉神経痛に悩まされている。口を動かすと痛みが走るので、思うように喋られない、食べられない。

そういう不自由な状態が続くと、やはり気分が落ち込み陰々滅々としてくる。そんな鬱な気分の時に爽快な、元気になる音楽を聴くと元気になるかと云うと、そんな事は無い。憂鬱な時こそ、暗い歌が心地良い。そんな鬱な気分の時は、徹底して落ち込めばいいとオレは思うのだ。

そんな事で今回は、憂鬱な時にぴったりの、陰鬱な暗い歌を集めてみた。小学生時分からいろんな音楽を聴いてきたが、その中でも選りすぐりの陰気で、不幸の塊のようなダークな曲を選んでみた。

淀んだ古井戸の底からプスッ、プスッと水面に浮き上がる瘴気のごとき音楽こそ、陰鬱な気分の時には何とも心地が良いのだ。さあ、そんな古井戸の底へ、淀んだヘドロに頭までずっぼりと沈み込んで、これらの曲を聴いてほしい。陰々滅々なあなたも、開き直って社会不適応者をエンジョイだ!

※1曲ごと聞くのは面倒くさいと言う人向けにSpotifyでリストを作ってみた(一部の曲はSpotifyに登録が無いのでカットされています)。

からっぽの世界 /ジャックス

1968年発表 ジャックスの1stシングル、および1stアルバムにも収録。

もう最初から遠慮なく暗い歌から始まる。冒頭にオレは会話が不自由になったことを書いた。口がきけないことを唖と昔は呼んでいた。いまじゃ使ってはいけない言葉になってしまった。そんなタブーになってしまった言葉を使ったがゆえに、ながらく代表曲が発禁になってしまったバンドがある。ジャックスである。

「からっぽの世界は」1968年にタクトレーベルから発売された曲である。ジャックスとは日本のロックバンドの始祖の一つと言われているバンドだ。当時はGSの様な誰かの操り人形のようなおままごとバンドか、フォークしかなかった時代だった。だからジャックスのような本物のロックバンドには居場所がなかったのだ。なのでちっとも売れなかったと云う伝説のバンドだった。

さてこのからっぽの世界だけども、もう曲名からして光のカケラも無いよね。歌詞の中に唖(おし)と言う言葉を使ったため、1970年代後半から発売が自粛されてしまい、ジャックスの伝説化が更に進む結果になった。1980年代後半にようやくインディーズレーベルがこの曲を発売したことで、ようやっと聞くことができるようになったという幻の曲だった。

当時(1986年)日本の東端・知床に住む浪人生のオレも、このシングル盤を通販で取り寄せて購入し、感動した事を覚えている。

今じゃこの曲が入ったアルバムは普通に買う事ができる。多分ラジオでこの曲が流れることはないのだろうが、あの販売自粛と云うのはいったいなんだったんだろう? それはともかく、もうそれだけでも、この曲の鬱々ぶりが伝わると思う。何も無い静かな海の底に沈んで、聞きたいと思うのだ。←きっとカニに食われる

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Epitaph / King Crimson

1969年発表、In the court of the Crimson Kingに収録。

Epitaphとは墓碑銘の意味。もう曲名からして明るさがない。そして冒頭のおどろおどろしいティンパニーの響だけで、頭を抱えて地面に蹲ってしまいたくなる。絶望を音楽にしたらこうなったと云うような曲だ。さらに追い打ちをかけるように、じっとりとした陰気なボーカルが、あなたを絶望の世界に導く。

こんな暗い歌が、オホーツク地方では家族団欒の時間にFMラジオから流れてくる。

未来=絶望を歌うこの曲。夢も希望も無い未来を歌うGreg Lakeさんの沈み込んだこの声は、もう最高としか言いようがない! オレの墓碑銘は「混乱」と歌うこの曲、ベトナム戦争、冷戦による核戦争への恐怖、そんな時代の空気がこの曲調に反映されているんだと思う。

じゃあ、今はずっと言い時代になったのか? いやこの時代以上に暗く、未来なんか見通せない時代になってしまった。多くの人がそんな危機に気がつかないと云うことも、更に絶望感が強まる。まさに混乱と書かれた墓が林立する時代に、今はなってしまった。

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There is a light that never goes out / The Smiths

1986年発表、The Queen is deadに収録。

何ともセンチメンタルな曲だ。オレは浪人時代、明かりを消した暗い部屋で、この曲をよく聞いていた。おかげで第一志望の大学には落ちてしまったよ。

家なんか帰りたくない。そこはオレには関係のない人たちの場だからだ。君と一緒に死ねるんだったら、10tトラックが突っ込んで来たとしても幸せなんだ、等々と歌う、典型的な甘ったれの糞野郎ロマンチストの歌。

「現実見れや!」 と言いたくなるが、「いやお前こそこんな歌を聴かずに現実を見ろ。」「いやそうじゃない。つらい現実を見たくない人達が逃げ込む桃源郷がThe Smithsだったんだ。」なんて自問自答してみたくなる。

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無用の介 / 早川義夫

1969年発表「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」に収録。

演奏はシンプルに、リズムボックスとピアノだけで歌われる。これはテクノポップの魁なのかもしれない。どこにも行く当ての無い、無用の介に自分を重ねて聞けば、もう気分は社会不適応者。

ジャックスはさっぱり売れなかった。これからオレはどうやって生きていけばいいんだ? という当時の早川義夫さんの心情を映している曲なのかも知れない。

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The end / The Doors

1967年発表、1stアルバムThe Doorsに収録。

曲名からして、もうこれ以上何処にもゆくことなんて出来ない絶望の突き当り。この曲はこれ以上説明不要だろう。イカレタ男が父を殺し、母親を犯すなんて言う歌詞はもう、まともな人間には書けない。でも、この曲が大人気ってことは、みんなイカレタネクラに違いないと思うのだ。

実はアメリカ人というのはかなり倒錯していると思う。明るい、ポジティブな人間を演じていなければ、社会からつまはじきにされてしまうのだ。本当は陰気な根暗人間が、明るいふりをしなければ生きていけないアメリカ社会。なんて面倒くさい社会なんだろう。本当は陰気な人間ばかりの、歪んだ社会がアメリカなんだと思う。だからこんな曲がうけるのだ。

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髪 / 片桐麻美

1987年発表、やわらかな心に収録。

この曲はSpotifyにはないので、youtubeにリンクを張っておく 片桐麻美 / 髪
ますます暗さが増してきたところで片桐麻美。彼女は35年ほど前デビューして10枚ほどアルバムを発表した歌手だった。1年ちょっとだけども、1987年ごろオールナイトニッポンの2部のパーソナリティーもやっていたりした。オレもよく聞いていた。

だが彼女の歌は、とにかくさっぱり売れなかった。そして20年程前に歌手を引退して、北海道で普通の主婦として第二の人生を歩んでいると聞く。

そんな彼女の歌はどれも暗い。好きになった人を振り向かせる為に、その人の彼女と同じ髪形にしてしまった女の悲哀を歌う。彼が好きなのは髪形じゃない。その事を分かっているのに、彼が振り向いてくれる事なんか無いって分かっているのに、髪を切り落としてしまった女性。無残にも切り落とされた自分の髪と、自分の姿を重ねたその心境描写が、もうどん底の、どろどろの心の闇を描き出している。

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Red Army Blues / The waterways

1984年に発表、「A Pagan Place」に収録。

ロシア民謡のポーリュシカ・ポーレのメロディーにMike Scottが詩を付けたもの。その詩の内容は、第2次世界大戦で祖国のためにドイツ軍と戦ったソビエトの赤軍少年兵の物語なのだ。未だキスも経験したことのない少年が、スターリンに命ずるままにドイツとの戦いに駆り出される。そしてベルリンを陥落させ、連合国の兵士達とあいまみえる。だがそのため彼らは西側に毒されすぎたと見なされて、スターリンによってシベリアに送られてしまったと云う悲劇を歌った歌。

ちょっと安っぽい演歌調に盛り上がる歌なのだが、ここで歌われる内容は何とも悲しく切ない。8分と云う長めの曲に一つの物語を作り上げている。聞き終えた時には、涙涙の悲しい歌なのだ。

Mike Scottといえば、女陰アートの、ろくでなし子と結婚したのが、少し前に話題になったよね。

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ノゾミ・カナエ・タマエ/ 筋肉少女帯


1994年に発表「レティクル座妄想」に収録。

正直このアルバムは全曲このリストに採用したいぐらいに、もうどれもこれも鬱、鬱、鬱、怨念の恐ろしいアルバムだ。その中から、あえてこの曲を選んでみた。

オーケンはこのアルバムで、この世に対する呪詛のすべてを吐き尽くしたんだと思う。これ以降のアルバムでは、世界に対する歪んだ嫉み、恨みと云うものが急速に弱まってしまう。オレはこれが筋少の、大槻ケンヂの才能のピークだと思う。

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Decade / Joy Division

1980年発表Closerに収録。

この曲でこのバンドの歴史は閉じてしまう。奇しくもIan Curtisの自殺を予見していたかのような、アルバムラストを飾るこの曲の諦念はなんなんだろうか? まるで冥界の底から届くようなこのIanのボーカル。これはまるで成仏出来ないIanが、バンドに向けて歌いかけているようだ。

自分の人生の終焉を告げるかのようなこの曲で、Joy Divisionというバンドは唐突に終演を迎える。真っ暗な部屋でひざ小僧を抱えながら、この曲を聴いていた高校時代を思い出すよ。

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絶望ごっこ / ハルカトミユキ

2012年発表、虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。に収録。

見た目はかわいらしいお嬢さん達なのだが、その心の闇はブラックホールの中心よりも暗い。大学の軽音楽サークルで、余りもの同士がくっついて出来たのがこのバンド。絶望を歌っているけれども、決して彼女達は絶望していない、なんて力強いネクラパワーなんだろう。だらかオレは彼女達のことを、絶対死なないNirvanaとあだ名しているのだ。

Where did you sleep last night / Nirvana

1994年発表、MTV Unplugged in New Yorkに収録。

さてNirvanaの名前が出てきたので、最後はNirvanaの曲でこの記事を締めようと思う。初めてこの曲を聴いた時には、背筋に悪寒が走ったのを覚えている。

恋人に、「昨日の晩は何処で寝てたんだ?」と語りかけるこの歌。歌いかけている彼は何故か松林の中で一晩中震えている。すると唐突に「彼女の夫は良く働く男だったが、ある日死体で発見された」と続く。頭だけ車の車輪の中で見つかり胴体は行方不明。そして再び歌詞は、オレは光伸ささない松林の中で、一晩中震えているんだろうと歌われ終る。

この歌詞はどう読んでも、「彼」は殺害され、切り離された胴体は松林に遺棄されたと言うことを示唆している。何とも陰気どころか、もう陰々滅々、胸くそ悪い歌だ。それをNirvanaはMTVのUnplugedライブで披露している。最後のヴァースを歌う直前Kurtが目を見開き、そして絶唱する。その様が、この歌詞の中の男が、正に殺されて、首を切り離されようとしている様が重なって浮かんでくる。

奇しくもKurtは誰もいない自宅で、ショットガンで頭を打ち抜き、死体が発見されるまで何日も、その寒い家で独りぼっちだった。Courtneyのいろんな噂もあるだけに、なんだかこの歌に歌われる男と、Kurtの姿が重なって見えるのはオレだけだろうか? だからオレは前の投稿で、Kurtは今も独り震えているんだろうと書いたのだ。

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とまあ、こんなまとまりの無い事をだらだらと書いていたら、何だか気分が高揚してきた自分に気がつく。陰鬱な音楽は陰鬱な気分を癒すのだ。それにしても、オレって暗い歌がつくづく好きなんだなぁと自分でも感心する。そしてそれは、こんな記事を読んでいるあなたもそうだ。


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