ボズ・スキャッグスのハリウッド(1977年)が、オレのロック人生の始まり
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ボズ・スキャッグスのハリウッドが洋楽・ポップスを聴く切っ掛けだった
オレが洋楽・ポップスを聴く切っ掛けはラジオの深夜放送だった。小学校4年生からラジオを良く聴くようになった。ラジオの向こう側にあるのは、ちょっとドキドキする大人の世界。夜の10時を過ぎる頃の番組は、ちょっとエッチな内容が増えてくる。そんなラジオ番組を聞いていると、自然と洋楽のヒット曲も良く耳にする様になった。
洋楽は何を歌っているんだか判らない、ガチャガチャ五月蝿く、歌声は呪文のように子供のオレの耳には聞こえていた。だけど1977年の秋にラジオから流れてきたこのメロディーは何かが違っていた。初めて聞いた時から、まさに心を攫まれた気がした。何を歌っているか判らないけれども、曲調、リズム、歌声が心地よく、そして繰り返されるコーラスがなんとも気持ちよかった。自然と「ふぉんフォフォーン♪ファンファファ〜〜ん♪ ファららら〜〜♪」とその歌を鼻歌で歌っていた。
外国人の名前、曲名にはまだ耳が馴れていないので、DJが曲名を紹介しても、何といっているか聞き取れなかった。それにいつも唐突にこの曲が流れてくるのだ。その秋、週に何度もこの曲をラジオで耳にした。
ソウルフルな曲調。裏声の男性ボーカル。まだ洋楽の知識なんて、何にも無いのに、何となく黒人が歌っていると思っていた。それがオレが最初に好きになった洋楽の曲。でも、結局誰の曲なのか知る事が出来無かった。
高校時代に同級生に鼻歌で歌って見ても、誰もが知らないと云う。手がかりは全くなかった。
「あの歌」がきっかけで、それからずーっと洋楽漬になるんだけど、初めて好きになった曲が誰の歌なのか長年謎だった。
「あの歌」が誰の歌かついに明らかになる
今から10年程前の事。オレが結婚したばっかりの2007年の秋。土曜日の夕方女房と連れ立って、食事に出かけた。車で家を出てしばらく走っていると、何気なくつけていたラジオから歌が流れてくる。聴いた事の無い歌。だけども、オレはAメロの後のコーラスがどういう展開になるか知っている。
その時オレは思わず声を出してしまった。「これだ!」。長らく探し求めていたあの歌が、ちょうど30年ぶりに耳に飛び込んできた。驚く女房。
「これだよ、これ。オレが長年探し求めていた「あの歌!」だ」
その日帰宅後、すぐにラジオ局のサイトにアクセスして、その番組で流れた曲目リストをチェックした。リストには10曲ほどの曲名が載っていた。震えたよ。ついにあの歌の正体が判明するんだから。放送時間から考えて候補は2曲、1つはStevie Wonder。これに違いないと思いその曲をyoutubeで聴いて見ると、全然違う曲だった。そうだ歌声が違い過ぎる。
といって残るこの曲は、そんな訳ないだろ….。その曲は白人のロックミュージシャンだったからだ。youtubeで、半信半疑ながらその曲を聴いて見る。パソコンのスピーカーから、探し求めていた「あの歌」が流れてきた。正体はBoz ScaggsのHollywood。それがあの歌のタイトルだった。
長年ソウル・ミュージックだとばっかり思っていたのに、なんとそれはBoz Scaggsの曲だった。オレのロック人生の始まりは、Boz Scaggs、AORから始まったとは。
Boz Scaggsの「Down two then left」について
このHollywoodという曲は、1977年に発表されたアルバム「Down two then left」からシングルカットされた1曲。いったいオレはこの曲を何時聞いたのだろうとあれこれ探してみた。だが、シングル発売された日がどうも分からない。イギリスでは1977年12月17日に37位でチャートに初登場。全米チャートで最高位49位ということが分かったんだけど日付がはっきりしない。
オレの記憶だと、9〜10月ぐらいにかけてラジオから流れていた記憶があるのだが。何にしても、結果あまり流行らなかった歌だったようだけど、不思議とオレの耳には届いたわけだ。そう、オレが聞くべき音楽は、音楽自らオレのところにやって来るのだ。
リンク:Spotify Boz Scaggs / Down two then left
そしてこの「Hollywood」、ハリウッドだけにどうせゴージャスなセレブの事なんか歌った歌なんだろうと思っていたら大間違いだった。歌詞を読んで驚いたよ。
この歌でBozは、ハリウッドという映画産業を支配する体制そのものへの嫌悪と皮肉を、こんな爽やかなソウルフルな曲で表現している。非常に硬派な詩と、それに反して耳障りの良い甘ーいソウル・ミュージック。なんだかSir Ray Daviesの一連の曲みたいだよね。
でもこれじゃアメリカじゃ余り宣伝してもらえないなぁ。メディアの支配層に対する批判なんだから。イギリスでは受けたというのも頷ける気がする。
ギッコンガッタンさんのサイトに、歌詞と訳詩が出ていました
ちょっとだけ補足で、「Down two then left」について触れておく。このアルバムは前作「Silk Degrees」(大ヒット。名作だよねBozの代表作といって良いだろう)、に続く作品なんだけど、前作ほどは売れなかった様だ。
ところが、楽曲の出来は悪いかというと、そんな事は全くなく、どの曲を聞いても非常に出来が良い。演奏もすごくタイトで、今聴いてもしびれるよこれは。
それというのも、ドラムはJeff Porcaro、ベースがDavid Hungate、何曲かでSteve Lukatherがギターソロを弾いている。そうあの後にTOTOになるメンバーが参加しているアルバムだけに、演奏の出来は超一流。シビレルのも無理はない。とくにJeffのドラムがすさまじいね。TOTO節全開。だけどもその頃の彼らはようやく20歳を超えたばかり。何て早熟なミュージシャンなんだ、彼らは。
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このリズム隊は、サイコー
boz scaggs lowdownが好きだったねぇ・・・
ray parker Jrのギターカッティングもシビレルよね。