ブレードランナーは、例え小画面、チープな音のTVで観ても輝きを失わない 1988年夏の体験

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ブレードランナーのDVD

TVは買わない。欲しがりません、拾うまでは

大学生になってから我が部屋にTVがやって来たのは2年生の7月。1988年の夏だった。多少仕送りがあり、昼間はフルにアルバイトをしていたものの、TVなんて物が買える程収入が無かった。なので大学生になって1年以上TVなしの生活をしてきた。TVなんて高いものは買えないから、ゴミとして出されたものを拾おう!

 と言った訳で、毎週粗大ごみ前日の深夜は、ごみ捨て場を巡回するのが日課になった。意外とTVは捨てられている。しかも古くて巨大なのが。よく捨てられていたのが足つき木製のキャビネット製で超重い奴。アパートから遠く離れたごみ捨て場にそんなものを見つけた日には、堅い決心のもと汗だく、くたくたになりながら何とか部屋に持ち込んだ。でも何も写らないどころか、電源すら入らない。そんな徒労の日々が半年ほど続いたよ。

小画面、不鮮明、低音質なのに、ブレードランナーの良さを知る

 そんな1988年の夏、いつものように涼みながらごみ捨て場を巡回していると、赤いSony製の小さなTVがオレを待っていた。
早速家に連れ帰って電源を入れてみると、十数台目にしてついに! ちゃんと写るTVが我が部屋にやって来た。子供の時に初めてカラーTVが我が家にやって来たときよりも、この時の方が嬉しかったなぁ。

 その日は嬉しくて、翌朝もアルバイトのために早起きしなければならないというのに、夢中になって深夜のTV番組をあれこれと見ていた。すると何だか見覚えのある映画がやっている。Blade Runnerだった。あの素晴らしい映像が、小さな画面で、しかもとっても不鮮明にTVの画面に映っている。音質もとっても安っぽく、臨場感なんかかけらもなかった。

 ところが、何故かこの時この映画がジーンと心に突き刺さったんだなぁ。19歳の時に初めて見たときは、期待外れで面白味をちっとも感じなかった映画だったBlade Runnner。が、この時は全く別の映画に思えた。小さな画面だから映像の素晴らしさなんか楽しめない。

この世に生を受けたものは何であれ生きたいんだ

だけども蒸し暑い夏の夜の深夜、この映画に込められたテーマがこれでもかってくらいに胸にずぶりと突き刺さる。ゾーラが何度もガラスを突き破り、ガラスの破片をまき散らしながら逃亡しようとするシーンの美しさ、切なさには泪が止まらなかったくらいだ。たとえ最後は死だと判っていても、何であれ生まれてきたものは生きたいんだ。

 そして死を前にしたロイのセリフ。深夜の狭いアパートに、彼の声が響く。

「I’ve seen things you people wouldn’t believe. 〜」

彼のセリフには、人間だろうが、レプリカントだろうが、生あるものはどんな形であれ必ず死がやって来るって事を見るものに伝える。レプリカントは人間に作られた、じゃあ人間はいったい誰につくられたんだ?

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 そんな訳で、何故かそれまでBlade Runnerの良さがちっとも分からなかったのに、拾った小さなTVで見た時に、初めてこの映画の面白さに気がついた。映画は大画面で、高画質、高音質だからって良いとは限らない。不思議なものだ。

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