R&Bの名曲ヒートウェーブの聴き比べ ロックはR&Bの私生児だ

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ロックなんかR&Bの私生児だ

 中高生時代に聞いた言葉。「ロックなんかR&Bの私生児だ」みたいな事を、ミュージシャンの誰かが言っていた。

 まだ20代の頃に勉強だと思ってAtlantic Rythm & Bluesの名曲コレクションCDを6枚全部買い集めて聞いていた事もあったが、その頃はちっともピンと来なくて、結局そのCDは全部ディスクユニオンに売っ払ってしまった。

 ところがこの10年、そういったR&Bのアルバムなんかを再び良く聞くようになってしまったんだな。売っ払ったそのAtlantic Rythm & Bluesのコレクションは、また全部買いそろえてしまったよ。オレの人生無駄遣いばかり。つくづく先に上げた「ロックなんか私生児だ」って言葉が、ようやっと理解出来るようになってきた。

 これまでオレがロックだって思っていたものは、そのままR&Bだったんだな。両者の違いは、ミュージシャンが白人か黒人かってこと。やっている事はほぼ同じ。ただ白人がやると黒人のようには歌えない、あのノリが正確には再現出来ない。その不器用さがロックなんだと思うし、その何とも微妙なぎこちなさが面白さなんだと思う。

Heat wave

 オレがこの曲を初めて聞いたのはThe Jamの4thアルバム、Setting sonsだった。アルバムの最後をえらい勢いの、パワーのある曲で締めくくるのが何ともカッコいい。このアルバムの中で一番好きな曲の一つだったんだけども、カバー曲だって程なく知って驚いた。彼らのオリジナルにしか聞こえなかったのに。

 で、このHeat Wave、The Jamに限らず、多くのアーティストにカバーされているんだな。ちゃちゃっと検索して見るといろんカバーが出てくる。Phil ColinsやBruce Springsteenなんてのがyoutubeで検索して見ると出てくる。名曲だよね。歌えば盛り上がるし。オレも弾き語りしようと練習してみた事もあるのだが、Paul Weller同様、歌声がソウルフルにはほど遠い、ガナリ声。パンクソングなら良いんだけども、これじゃダメだねw

 ちなみにThe Style Councilの面白いのは、ちっともソウルフルじゃないヴォーカルが、必死になってソウルを演ろうとしているところだとオレは思っている。自分に無いものを願い、必死に努力して1ミリでも近付こうと奮闘するその姿が、良かったんだと思う。

それはともかく、Heat waveを聴き比べて見ようと思う。

 まずはMartha Reeves & The Vandellasのオリジナルバージョン。1963年に発表。

 お次はThe Whoのカバー。The Jamの兄貴分だね。これは彼らの2ndアルバム、A quick oneに収録されている。1966年の作品。正直オレには散漫でつまらないアルバムだったが、このカバーは良かったね。

 そんで最後はThe JamのHeat Wave。血気盛んな、短気なPaul君の意向なのかとてもアップテンポだ。とってもパンクぽくてカッコいいのだが、これがカバーと知った時は驚いたね。しかもR&Bの大ヒット曲だったとは。

初期と違い、ホーンやら、キーボードが程よく入って、ホント良いアルバムだと思う。Giftはやりすぎ。
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カバー曲を通じて、R&Bのスピリットを取り込んでいた

そんなわけで、オレの青春時代に大好きだったバンドの演奏を通して、自然とそういうモータウンだのアトランティックR&Bのスピリッツを知らず知らずのうちに自分の中に取り込んでいたんだと今になって気がつく。

 ちなみに、The KinksもMartha Reeves & The Vandellasの曲をカバーしている。2ndアルバムのKinda Kinksで、とってもへなへなしたDancing in the streetをやっている。どうしてアップテンポで、かっこよくカバーしないのかが謎だ。だがそれがThe Kinks。You really got meのイメージで聞くと腰が砕けるよ。その腑抜け感、脱力感がファンにはたまらない。

 そうだThe Kinksのちっとも売れなかった2ndシングルのLong tall Sallyも、非常にヘナヘナカバー。Ray Davies曰く「こんなカバーを聞くぐらいなら、オリジナルを聞いた方が良い」と云うくらいだから、そりゃ売れないわな。The Beatlesなんかすごくカッコいいカバーをしているだけに、真似をしたくなかったのかもしれない。

へなへなしていると書いたが、やっぱりこの味わいは良いぞ

 こうして聞いて見ると、ロックなんかR&Bの私生児なんだって意見がもっともだって思う。どのカバーを聞いても、オリジナルそのままでしょ? ギターの音が歪んでいたり、テンポが速かったり、ボーカルがソウルフルなじゃないだけで。

 ロックはR&Bの私生児、もしくは犬と狼の関係なんだろう。全く別物のように思われているが、流れているDNAは同じなんだ。犬は狼だろうが何だろうが、何でも取り込んで混じってしまうのだ。それがロックミュージックだと思う。


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